ええ加減にしてんか、「もったいない文化」の迷走

「もったいない」の迷子になった日本

ホンマにもう、ええ加減にしてほしいわ。この日本、どないなっとんねんっちゅう話や。戦後のどん底から這い上がって、ようここまで豊かな国になったもんや。

テレビも冷蔵庫も車も、なんでも揃う時代になった。せやけどな、その成功の裏で、一番大事なもんをポロッと落としてしもてんのとちゃうか?

そう、「もったいない」っちゅう、日本の魂みたいなもんが、どっかで道に迷うて、見当たらんようなってもうてんねん。この歳になって、しみじみそう思うわ。便利さと引き換えに、心の豊かさを忘れてしもたんちゃうか?

 

昭和の食卓に根付いた「もったいない」精神

わしがまだガキの頃、昭和の20年代やったかな。小学2年生の頃や。今みたいに物が溢れとった時代とちゃうから、食べ物っちゅうもんが、どれだけ貴重やったか、身体に染みついとる。

毎日の食事が、ほんまに命を繋ぐもんやった。お米の一粒一粒が、太陽の光と大地の恵み、そして農家さんの汗と涙の結晶やっちゅうことを、教えられんでも分かっとった。

ご飯茶碗に一粒でも残そうもんなら、お袋にゲンコツや。「お米の神様が泣いてはるで!」って、真顔で怒られたもんや。 お茶碗についたご飯粒も、水入れて溶かして、最後まで食べきった。それが当たり前やった。食べ物を無駄にするなんて、罪やっちゅう感覚が、みんなにあったんや。

 

現代の大量廃棄と「鮮度信仰」の矛盾

ところが、今の時代はどないや?スーパーに行ってみい。棚には、もうありとあらゆるもんが所狭しと並んどる。パン、お菓子、お惣菜、肉、魚…目移りしてしゃあない。

でもな、その裏で、とんでもないことが起こっとるんや。 賞味期限が一日でも過ぎそうになったら、まだ全然食べられるもんでも、あっさり廃棄や。

「鮮度が命!」とか言うて、消費期限まであと何時間って、ピチピチの状態のやつだけが、お客さんに求められる。ちょっとでも「鮮度落ち」と見なされたら、もうアウト。

店からすれば、クレーム避けたい気持ちも分かる。せやけどな、この光景見るたびに、ホンマに胸が痛むわ。「もったいない」って、世界に誇れる日本の文化やなかったんか?それが、国内では一番軽視されてるんとちゃうか?

 

マナー重視の食事が生む本末転倒

ほんでな、腹立つのが「マナー警察」や。最近のレストランに行ったら、もうめんどくさいことこの上ないわ。お箸はこう置かなアカン、フォークとナイフは外側から使うんやで、音立てて食べたらアカンで、とか。 綺麗な食べ方はええことや。

せやけど、そういう小難しいマナーにばっかり気がいって、一番大事なもんを見失うてへんか? 以前、若い子らと飯食いに行った時の話や。高級なレストランやったんやけど、料理はめっちゃ美味しかった。

でもな、その子らは、マナー本に書いてある通りに、ぎこちなく食べてんねん。そして、全部食べきられへんかった。 「もったいないけど、もう食べられへんわ」って残しよった。それ見た時に、わしは思わず「ホンマにそれでええんか?」って声に出そうになったわ。

見た目のマナーを完璧にこなしても、食べ物を残すっちゅうのは、究極のマナー違反とちゃうんか?

 

若者の葛藤と社会の矛盾

マナーってのは、元々相手を敬う気持ちから生まれたもんやろ?料理を作ってくれた人、食材を育ててくれた人、そしてその命そのものに対する感謝の気持ち。それが本来のマナーや。 せやけど今は、「どう見られるか」ばっかり重視されとる。

テーブルマナーがどうとか、お箸の持ち方がどうとか。そんなことより、「出されたもんは、感謝して最後まで残さず食べる」っちゅう、当たり前のことの方が、よっぽど大事やないか? ある若い女の子が、わしに話してくれたことがあんねん。

「バイト先のコンビニで、まだ食べられるお弁当を毎日何十個も捨ててんの見て、ホンマに胸が痛むんです。でも、店長に『これはルールやから』って言われるだけで…」って。

この子らは、ホンマは「もったいない」って感じてんねん。せやけど、社会のシステムが、その気持ちを否定するような仕組みになっとる。このままやと、子どもらが持っとる素直な感情まで、壊してしまうんとちゃうか?

 

見かけより心を大切にする文化へ

もう一度、ホンマに根本的なところに立ち返る必要があると思うんや。食卓がどれだけ豪華でも、マナーがどれだけ完璧でも、その裏で食材が無駄にされとるようでは、ホンマに意味ないで。

それは、見かけだけのハリボテ文化や。中身がスカスカやんか。経済発展も大事やけど、そのために、一番大事なもんまで犠牲にして、それでホンマに幸せな世の中が作れるんか?

もう一度、食べ物に対する感謝の気持ち、そして「最後まで大事に食べる」っちゅう、当たり前のことを、みんなで思い出さんとアカン。 高級レストランのテーブルマナーも大事かもしれん。

せやけど、それ以上に、一粒のお米に感謝できる心の方が、よっぽど豊かで、よっぽど「もったいない」を体現した文化とちゃうか? そろそろ、この迷走から抜け出さんと、ホンマにこの国は、大事なもんを全部なくしてしまうで。

今こそ、みんなで、もう一度立ち止まって考え直す時や。ホンマに、このままでええんか?


Knock it off
2025/08/27

コメントをどうぞ

サブコンテンツ

このページの先頭へ